代替機としてN兄から借りている「トライオードVP-3488」は、だいぶ我家の環境に慣れてきました。
アンセムと比較すると、やや中高域がキツくて、分解能が高い感じ。
最近強く感じるのは「CDの音がイイ…」ってこと。
左右のSP間の空間に音像がみっしり、且つ風通し良く定位して、オーディオ的快感がある。
しかし、しかし。
アナログ再生が、なぜか面白くないのですね、これが。
特にヒトの声などは、どこかヒステリックというか、薄い感じに聴こえてしまう。
畢竟(←五味康佑氏風の言い回し)、最近聴くのはCDが多くなっているわけです。
…前置き長い。
雨が屋根をたたく音が心地よい今夜も聴いた、最近お気に入りのCDを以下に。
(いつもどおりの独善的な内容…お許し下さい)
①『ヴァイオリン・ロマンス集』
ピンカス・ズーカーマン/セント・ポール室内管(1986年録音)
聴いてると、眠りに誘われるような心地よさ…
3曲目:ドボルザークの「ロマンス」が最高に良いです。
ドボルザークさんの哀愁の美旋律を、微笑んで演奏してるような雰囲気。
エンディングが長く感じる曲だけど、終わるのが惜しい演奏だからイイ。
②『ムーン・ビームス』
ビル・エヴァンストリオ(1962年録音)
静かな楽曲が収められたアルバム。アナログのノイズ(テープヒス?)を厭わずにリミックスされたCD。そのせいもあってか「音が生きてるッ」
ピアノはもちろん、豊穣なベース、ドラムス(スネア)のブラシのリアルで暖かい音。
曲はみ~んなイイけど…2曲目の「Polka dots and Moonbeams」
鋼鉄のように鍛え上げられたレニングラード・フィルの演奏。
弱音にも迫力がある。いわんや強奏をや…。……完璧な合奏。
美しいのだけど、それよりも、なんだか…
たくさんの歯車が組み合わされた精密で巨大な仕掛けが、薄暗い空間で作動しているみたいな「悪夢的恐怖」を感じます。
ムラヴィンスキーさん、天才。怖すぎ。
④『Live from New York City,1967』
サイモン&ガーファンクル(1967年録音)
サイモンのギター1本だけの伴奏。
ステージ上にも観客を上げてる…保安が厳しい現代では考えられない、牧歌的な、しかし世界の価値観が変わりつつあった緊張感のある「時代」の証言のようなライブ。
49年前の若々しい二人の声に、涙がでそうになる。
ポール・サイモンは、やっぱり天才だ。
I am a rock と The Sound of Silence。
⑤『はじめてのやのあきこ』
矢野顕子/その他ゲストの皆さん(2006年録音)
矢野顕子さんのピアノは、生命力が溢れてて大好き。
このアルバムは、有名なミュージシャンと1曲づつ共演したもの。
最近のお気に入りは、槙原敬之とのデュオ「自転車でおいで」
中央右寄りの矢野さんの声。SP間に大きく横たわるようにグランドピアノ。
そして、ピアノを背にスツールに座って歌う(ように見える/聴こえる)槙原さん。
音もいいけど、定位がすごく心地よい。
矢野さんも…天才っ!
⑥『直太朗』
森山直太朗(2001年録音)
直太朗君がメジャーデビューする前の、所謂「インディーズ(?)」のアルバムでしょか。
ボーカルは、意識してのことか、少し過大入力でひずんでいる部分がある。
安いカセットテープで聴くような音楽の演出かなぁ。
最近の、(キチンとうますぎて)時に「悪達者」な感じがしてしまう直太朗クンにはない「みずみずしさ」が好ましい。 5曲目の「高校3年生」
今夜のCDの鳴りっぷりは、素晴らしかった。
雨のせい?それとも、雨雲の上の「スーパームーン」の魔力でしょうか。
明日の晩も、良い感じで鳴って欲しいですね…
(真空管の写真は、ムツカシイ~)