5日目の記事が長くなっております…(^_^;)
軽めの夕食を食べ終えると、開場時刻の19:30が近くなっていた。
今夜は、イヴァン・フィッシャー指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団と マリア・ジョアン・ピリスが出演します。
曲目は
・ヴェレシュ 「ベラ・バルトークの思いでのために」(というような曲名)
・ベートーベン ピアノ協奏曲第4番
ロビーに入り、e-チケットを本チケットに交換し、受付をする。
父ちゃんと母ちゃんの席は、2階バルコニーの最前列。
長い階段を上っていく。
ホールに入ると、席を案内する女性がいて、「こちらですよ」と教えてくれた。
チップをお渡ししようとしたら、「不要ですよ」と笑顔で言われました。
シャンゼリゼ劇場と比べて新しいですね。
こちらは床が板張りです。シャンゼリゼ劇場はカーペット張りでした。
残響時間が長いんでしょうね。
演奏開始後は、写真をとっておりません。
ブダペスト響の音は、すごく綺麗で瑞々しい感じでした。
比較対象はシャンゼリゼ劇場で聴いた サンクトペテルブルクフィル(SPP)になりますが、
規律や技術はSPPには及びませんが、ホールの音響もあって、鮮やかな色合いのある音を奏でます。
1曲目のヴェレシュ。バルトークの感じです。
先入観があるせいか、土俗的というか、民俗的というか、東欧の雰囲気がたっぷりです。
2曲目は、楽しみにしていたピリスさんが出演するベートーベンのP協奏曲4番。
ピリスさんのピアノは、水が流れるような美しさ。
その「水」は、冷たい水ではなくて、優しい初夏の小川のような。
…ただ、なんというか。オケの伴奏がベートーベン的でないというか。
甘く、優しすぎるような気がしてしまいました。
それに、ハズカシイことですが、父ちゃんは聴きながら少しウトウトしてしまった…。
演奏後は万雷の拍手。手拍子。
ピリスさんは、70歳近い年齢ですが、アンコールに応えてくれました。
…これは、ショパンかな。やはり、優しい、やさしい音色の演奏でした。
ここで、休憩。ロビーでは皆さんシャンパンを飲んだりして、語らっていましたよ。
3曲目のドボルザーク8番。
得意の曲。でしょうか。イキイキとして、素晴らしかった。
またまた万雷の拍手です。
お隣りの席の女性(カナダから来たそうです)は、英語で、
「ブダペスト響は初めて聴くのよ。楽しみだったのよ。ステキね~」と話しかけてくれました。
「私も初めてデース♪」
「貴方は、日本人?お仕事は音楽家?」なんて訊かれて
「…(なんて答えようか」
と思っていたら、指揮者のフィッシャーさんがステージに出てきて、
「タケミツ(武満徹)をやりま~す」
って、(多分フランス語なので、全部はわかりませんけど「タケミツ」だけは聞こえました)。
そしたら隣りの女性は、父ちゃんと母ちゃんのために喜んでくれて。
大きな目を見開いて、我々を見てくれて。
父ちゃんもうれしかった。
武満徹の曲は、所謂「現代音楽」ではなくて、濃密にロマンティックなワルツでした。
うーん。この演奏。素晴らしい。
ベートーベンよりも、ドボルザークよりも、このタケミツは素晴らしく聴こえた。
そして、アンコールはもう1曲。
フィッシャーさんは、作曲家名と曲名を言ったと思いますが、聞き取れません。
この曲は、バルトークかと思います。
これも素晴らしかったです。
今夜も素晴らしい演奏を聴くことができました。
勝ち負けをつけることに意味はありませんが、今夜の演奏を聴き終えて、
26日の晩のサンクトペテルブルクフィルとテミルカーノフさんの演奏が、いかにすごかったか。
改めて、認識しました。
アンコールもあって、終演時刻は22:30。
「テルヌ」駅からメトロにのって「オペラ」に帰り、就寝。
おやすみなさい。