少し前に、触れましたが…
関東では、日曜08:00からテレビ朝日で放送している仮面ライダーシリーズ。
この中で「仮面ライダークウガ(2000年)」と「仮面ライダー響鬼(2005年)」は、異色、出色の名作です。
どちらも、高寺成紀というプロデューサーが手掛けた作品。
そして、見るたびに、父ちゃんに元気と勇気をくれる作品です。
仮面ライダー響鬼(ひびき)
主人公は中学3年生の足立明日夢(あだち あすむ)
物語は彼の高校受験時期から始まります。
母親と二人暮らしの悩み多き思春期。
明日夢の学校生活は何やらむなしく、自分が何者なのか分からなくなっている。
島に向かうフェリーで、飄々としたもう一人の主人公「響鬼さん」が子供の命を救うところを目撃する。
そして、フェリーは屋久島に到着。
大人たちの集まりの中、居場所がない明日夢は、年上の従姉と抜け出し、森を散策する。
第1回目のお話しは、↑こんな感じなんですね。
第2回以降は、響鬼さんが所属する秘密の組織「猛士(たけし)」の仲間たち(これが魅力的な面々)が登場し始め、それぞれのユニークな必殺技で怪物退治をしていくのです。
並行して、明日夢少年を取り囲む「学校」「家庭」「世間」の「清濁・善悪」が入り混じった出来事が起きて、少年は傷ついたり、喜んだりしながら成長していく…
この「響鬼」の素晴らしいところは、
登場人物の心象(内面)表現と、場の空気感が、とても新鮮で瑞々しいところ。
春先の時期は、ひんやりとした空気を画面から感じることができる。学校のシーンは「学校の匂い」がしてきます。
脇役を含めたキャスティングと演技、撮影場所のロケハンにも一切の手抜きを感じない。
↑当たり前のようだけど、特撮ヒーロー物って、けっこう妥協点が低いのがふつう。
しかし「響鬼」は妥協していない。
『鬼』=ライダーたちは、レスキュー隊員や自衛官のような「危険を顧みず人助け」する人たちで、一般人から見れば「きわめて非日常」の世界にいます。
この作品は、このような「非日常が日常」な登場人物たちにもある「平凡な日常」が描かれ、それが突如「非日常」の世界にいれ替わる。
その「キビシイ非日常」を当然のように受けとめて、冷静に危険に立ち向かって仕事する男たち(そして女たち)を描いていて、胸がキュンとなる。
「仮面ライダー響鬼」。予定どおりに1年間製作されていれば、テレビ番組史上に残る名作になっていたのではないかと思います。
しかし、プロディーサーの高寺さんは、放送開始後約半年で、更迭されてしまいます。
ウワサでは、作品の品質へのコダワリが強すぎ、予算超過だったとか。
「高寺プロデューサー更迭後」を引き継いだスタッフは、おそらく苦労したでしょう。
しかし、父ちゃんにとっては、その後の「響鬼」の内容は、「凌辱されてしまった」としか言いようのないものでした。
当時の、云いようのない空しさは忘れることができません。
…たかがテレビ番組の特撮ヒーロー物…と言うなかれ。
これは、私にとっては奇跡のような、かけがえのない番組だったのですよ。
と、いうわけで、父ちゃん家には、当時発売される度に買った「響鬼のDVD」が、半年分だけあるのです。
今でも時々、
「あのまま続いていたら、結末はどんなに素晴らしかったろうか」と想像します
そうそう。この番組に登場する女性たちはとてもキレイで魅力的でした。
このことも、特筆しておきたいデスネ(#^.^#)