日曜日の夜、拙宅のシステムにつなぎました。
従来は、「ケンブリッジ・オーディオ Azur840A」(長いなぁ、以下「Azur840A」)のプリ・アウトから、メインアンプの「ANTHEM AMP1」(EL34プッシュプル40WX2)に出力しておりました。
以下は、これまでの(いつもどおり)身勝手な印象記でございます。
6月5日(日)
初日の夜は、レコード・CDの音出し確認のみ。
… 一聴して音像表現がやわらかいことがわかりました。
6月6日(月)
2日目の夜、何枚かのCDをかけました。
森山直太朗の歌が「はかなく」聴こえます。
これは音が弱々しいという意味ではなくて、若者の青くさい心象が、より伝わってきた…と言いたいのですね。
直太朗好きの母ちゃんは「別の曲みたい… 何が違うの?」と、ビックリしてました。
シュミット/マズアによるモーツァルトピアノ協奏曲。弦楽がなめらか・しなやか。
情報量と表現力は充分にありつつ、「刺激的」にはならないように、さりげなく注意が払われているかのよう。
ピアノの重量感(重い木と鋼鉄でできている気配)はAzur840Aの方が判りやすいですが、これも充分です。
…昨夜の鳴り方と比べて、ずいぶん「生命感」があがった印象です。
「いや~、これは良い…」と、感じた夜です。
6月7日(火)
3日目、何枚かのレコードをかけてみた。
(レコード再生にあたっては、ちょっとした試行錯誤がありましたが割愛シマス)
…人の声やギターの響きに従来以上の「湿度」を感じます。
一方、声や楽器のエコーは減少した印象。
エコーが減って、響きはストイックになったけど、音質の優美さがあるのでかえって高貴。
…良いです。真空管コンビ。素晴らしい。
これに慣れると、あとがコワイ気がする…と、言いながら、今夜も聴きました(#^.^#)
以下は「例え話」です。
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二枚の肖像画(油彩)が、壁にかかっている。
絵の中の女性は、同一人物のようだ。耳飾りが、銀色に光っている。
2メートル離れていると、どちらの絵もとてもリアルだ…。
20㎝まで近寄ってみると・・・
片方の絵には、「ストーン氏」の署名。
耳飾りは、細い筆を使って細密に描かれている。
その表面には、女性を見つめる画家の姿までぼんやり映りこんでいる。
まるで高精細の写真のようだ…。凄い。
もう片方の絵には「チューブ氏」の署名。
近くで見ると、一見、無造作に描かれている。
白と黒をかるくまぜたグレーの上に、すッと白い絵具がのせられている。
この白が、銀の耀きを表現していることがわかる。
もう一度2メートル離れて、両方の絵を見る。
やはり、どちらもリアルだ。
私はしかし、チューブ氏の描いた耳飾りの耀きから、その女性の『人生』までも感じていたことに気付く。
***
…少し気障ったらしいですね。書いてみて、自分でも感じてマス。
管球(PZ24)とソリッドステート(Azur840A)の印象の違いを、例えてみたかったんです。
蛇足ですが、拙宅の音は、この「例え話」のような高度なレベルには達していません。
それに、真空管の音が「無造作」だと言っているつもりも、毛頭ありません。
(私のアタマには毛がありませんし…自虐がスギマス…)
言いたかったことは…
真空管が奏でる音の質と表現力(音楽)はやはり素晴らしい…ということ。
Azur840Aも、愛着ある大切なアンプであることに、変わりありませんが…
しばらく待機中のAzur840A…