どいの父ちゃんのブログ

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アメリカの野球小説と映画

最近「小説」を読む量が激減しておりますが
 
20代から30代の初めごろ、積極的にアメリカの野球小説を読んでいた時期がありまして、
その中の一冊は、今も父ちゃんのフェイバリット・ノヴェルの一つになっています。
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W.P.キンセラシューレスジョー」(永井淳訳)
…とってもとっても、とっても好きで、後から英語の本も探して購入しましたよ。
 
この作品は、1989年に「フィールド・オブ・ドリームス」という題名で映画化されました。
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原作と映画を比べるとき、多くの場合は「原作の方が良い」となるものです。
父ちゃんにとっても、原作の方が、…良い。
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映画の主演はケビン・コスナー。(この時期、人気が高かった)
奥さん役は「ストリート・オブ・ファイア」に出てた快活なエイミー・マティガン。
映画では、過ぎ去った60年代の文化を体現した夫婦ですが、ちょっと原作イメージとは違う。
 
強風に吹かれて揺れながら、健気に咲く(その内部は静謐な)花のような幸福な家庭。
繊細で感傷的な夫と、限りない包容力を持つ妻、そして天使のような幼い娘。
父ちゃんの中では、主人公は、例えばポール・サイモンみたいな風貌の人です。
 
映画は「父と子の、時空を超えた再会と許し」で「感動的な」しめくくりとなりますが。
小説(原作)では、父親は登場しません。
代わりに、映画でも語られるアメリカ合衆国の人々にとっての「野球」のかけがえのなさが、力強くうたわれます。
 
ああアメリカ人にとって、「野球/ベースボール」は特別なのだなぁと、感じさせられます。
 
映画の「フィールドオブドリームス」をやや辛口批評してしまいました。
…けどね。父ちゃんはこの映画、好きですよ。

こんな風に「野球」を映像化することは、他の国の人にはできないと思うのです。


野球を描いた映画、もう一つだけ。
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ナチュラル」(1984年 ロバート・レドフォード主演)
 
時は第二次大戦前、資本家の力が強く、野球選手は薄給に甘んじていた時代。
R.レドフォード演ずる田舎の青年:ロイ・ハブスが、大リーグ挑戦のため、恋人を残して上京(?)します。
彼には、大リーグの記録を書き換える未来が約束された才能があった。
 
途中、列車でであったベイブ・ルース(をモデルとした)と思しき大物選手と勝負し、勝利。
これをきっかけに、若いハブスはスキャンダラスな災難に巻き込まれ野球人生を絶たれます。
 
それから長い時間を経過して、弱小球団「NYナイツ」に老いぼれたルーキーが入団。
この、年齢的にはとうに盛りを過ぎた男が、再起したハブス。
 
ハブスの超越的な活躍とともに、登場人物たちの、野球への愛情や執着、願望と欲望が描かれていきます。
 
クライマックスは、結果がわかっていてもドキドキして、同時に最高に緊迫した場面なのに、じんわりと涙が出てきます。
このあたりの映像の力と美しさ。味のある俳優さんたちの顔…。
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『野球』が持つ美しさが、アメリカ人の血液には本能として溶けこんでいるかのようです。
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そして、エンディングは…、「ほっ」とさせられます。
この映画の短いエンディングでは、やはり「父と子」(それと女性の強い愛情と包容力)が描かれます。

話しは一回りして最初に戻ります。
 
「フィールドオブドリームス」を映画化する際に、「ナチュラル」のエンディングから大きな影響を受けたかなぁ
と、父ちゃんは感じております。勝手な想像ですが。
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