どいの父ちゃんのブログ

素人オーディオと 亡き犬と サラリーマン残り火生活

愛について

前記事に友部正人のアルバムのことを書いた。

このアナログ盤を買ったきっかけは、友部さんがTVで歌ってた「一本道」という曲なのだということ…なんだけど、書き漏れしてた。買った理由はもう一つあった。

B面最終曲「愛について」。

この曲は矢野顕子の「ピアノ・ナイトリィ」というアルバムで初めて聴いた。歌詞はこんなの。友部さんの詞。

壁に二つの影が映っている

子と母の二つの影が映っている

二人は自転車をこいで 今、家へ帰るところ

子は母に話しながら 母は子にうなずきながら

 

子に父はいなく 母に夫はいない

父も夫もいない夜道を 二人はゴムまりのように弾んでいく

僕には 愛が二つの ゴムまりになったように見える

 

父のいない子は 愛について考えつづける

夫のいない母も 愛について考えつづける

愛について考えることで 二人は結ばれている

 

道端である日 星のように遠いはずの男とすれ違う

愛のことを考えながら

子と母と、男は道端ですれ違う

星のように遠い場所から その夜、男は子と母に電話をかける

 

愛のことを考えながら 子と母は生きていく

愛のことを考えながら 男もまた生きていく

遠く離れた場所にいて どちらも愛について考えている

 

つかまえた、と壁に映った子の影が言う

つかまえた、と壁に映った母の影が言う

子と母は自転車をこいで 家へ帰っていく

つかまえた、とつぶやく二つの影を 道端の壁の上に残して

 

矢野顕子の、「夜」そのもののようなピアノ弾き語りが素晴らしくてね。いい曲だなぁと思って、作曲者本人の歌も聞きたかったのだった…。手に入れて針を落とすと…。壊れた玩具の欠片を放り込んだ万華鏡みたいに歪んだ音に、はずみ車がグイングインと不規則に回るようなリズム。そして友部の癖の強い歌唱。録音は、わざと歪ませているみたいに聞える。。。父ちゃんとしては、なじんでいた矢野顕子の透明な「愛について」の方がしっくりくるのだった。

「ピアノ・ナイトリィ」というアルバムは、「愛について」のほかにも素晴らしいカバーの数々が収められている。しばらく聴いてなかったけど、記事を書いてるうちに凄く聴きたくなっている。

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三浦しをん「風が強く吹いている」を読んだ。きっかけは、2018年にTV放映された同名のアニメのブルーレイを買ったこと(今現在、無料配信されていないので…)

架空の大学の、寄せ集めの10人が箱根駅伝出場を目指す物語。怪我から復帰した4年生と、天賦の才を持ちながら未成熟な性格のために傷害事件を起こした1年生のほかは、ほぼ全員が素人かそれに準ずる人たちながら、最後は箱根の本選に出てしまう…。現実にはあり得ねぇ~と感じつつ、読み進めていくうちに感情移入し、心を揺さぶられてしまったのだった。

アニメの方も綺麗な作画でキャラクターの描き方も手堅い。こちらもクライマックス(=駅伝の経過と結果)は目が離せず、潤ませながら視聴したのだった。

読んでよかった。買ってよかった。…のだったのだ。(ディスクは北米版。国内版は高くて手が出ない…(^-^;

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昨日は、昔の豊かさを偲ばせる神社とお寺があるY地区を散歩した。

雨上がりの黄色みを帯びた日の光が、気持ちよかった…。

帰宅後に鳥山明の訃報。…驚いた。

今日の朝刊。早すぎる死。冥福を祈ります。