図書館で借りて読む本…しばらくスティーヴン・キングばかり選んでたけど、「次は違う作家」と。
柚木麻子「BUTTER」(2017年)は、ラジオで「英国大手書店が決める『ウォーターストーンズ、今年(2024)の一冊』に選出」と報じたのを聞いて読んでみようと。「イギリス版本屋大賞かな?」って思ってね。
「首都圏連続不審死事件」がモデルになっているとか。三人の初老男性の殺害容疑で収監されている女に独占インタビューする女性記者が主人公。固定観念で他人を抑圧する世間の淀みや、特に女性視点での女の嫌な部分が重層的に描かれているように感じた。カロリーたっぷりの食事・食材の魔力(魅力)や、登場人物のイメージがどんどん変化するのが怖くて面白くて、あっという間に読みおえてしまった。
図書館の「おすすめの棚」にあったジョルジュ・シムノン「モンド氏の失踪」(1945年)も面白かった。48歳の誕生日の朝、突然全てを放り出し再婚の妻と家族を残してパリを去るモンド氏。彼は奔放な父親が潰しかけた会社を再興した堅実なオーナー経営者で、従業員からも尊敬されていた。立ち寄った南仏の安宿で見知らぬ女の自殺未遂騒ぎに出会ってしまい、その女を見捨てられず、偽名で暮らし始める。寡黙で有能な彼は、新しい仕事(カジノの物品管理者)でも頼りにされる。ある日、落剝した前妻に偶然出会って彼女を救い、その後パリの自宅に戻る。結局モンド氏は、自分に関係する女性にすべからく優しいのだった(彼の義務のように)。仕事ができる「大人の男性」の魅力が静かな快感として伝わってくる。考えてみれば、小説の中のモンド氏の社会的年齢は、今のワシの年齢(64歳)と同等くらいかな…。この人が書く男性像は良いなァ…
他のシムノン作品も読みたくなって、有名な「メグレ警視」シリーズを予約した。本当は第一作(「怪盗レトン」だって…)から読みたかったが、地元図書館に蔵書が無くて「メグレ、ニューヨークに行く」(1946年)にした。
ときに脇道に入るのは楽しい。図書館内を歩いてて目についた本を気軽に借りてみたり
ってんで…「あしたのジョー」のムック本があった。
懐かしいなぁ。読んでたよ、少年マガジン。
時折、涙があふれるような頁もあった。昭和戦後生まれの男の子なら、だれもが想い入れがあるだろう力石徹…
鹿島アントラーズの知念慶選手(29歳)にも似て見えた。イイ オトコダネェ~
Jリーグ史上最強と謳われた川崎フロンターレから2022年に鹿島に移籍、今年ポポヴィッチ監督によりフォワードからボランチにコンバートされて非凡な能力を開花させた。そのプレースタイルは、沈着で声を荒げることなく、無暗にファウルを得ようとする小狡いプレーはせず、着実にボールを奪いピンチの芽を摘みチャンスにつなげていく。しかも熱い。…と来たもんダ!知念選手の加入によって、アントラーズというチームの価値が数段上がったように思える…。田舎モンのサポーターから心無い罵声を浴びせられて苦悩した時期もあったに違いないが、今年は見事にベストイレブンに選出された。誇らしい。川崎さん、こんな素晴らしい選手を移籍させてくれてありがとうございます<(_ _)>
知念さん。鹿島移籍は脇道ではなかったよね。
12月15日、石油ファンヒーターが故障して買い替えた。2007年から17年、使ってた。