急に 秋が来たような、昨日・今日の陽気ですね。
さて…
今から30年と少し前、真空管アンプを1台、作りました。
『6GW8』という、小さな複合管を使ったものでした。
ド素人の父ちゃんのために、回路の設計から部品一式の提供まで、今は亡き父が面倒を見てくれました。


…そういうようなことを、父に言うと

…と、いうような感じで諭されたと、記憶しております。
今思えば、とんでもないミノホドシラズぶりですネ 

シャーシの穴あけ作業は結構大変でした。
そのあと、トランスなどの部品を取り付け、教わった回路図どおりにハンダ付け。
組みあがったアンプは、カバーを付けると結構かっこよかった。

緊張して… 電源スイッチ・オン。
煙が出たり、爆発するようなことは…なかった
ホッ


だけど、盛大なハム・ノイズが出たように記憶しています。
工作技術が未熟なせいで、どこかに不具合があったのでしょう。
父ちゃんがどうやっても、ノイズは収まらない。
助けてくれたのは、…確かN兄。
N兄が調整したら、ノイズが収まった。

このとき「素晴らしい音だなぁ…」とは、正直言って思わなかったけど。
自分が、生まれて初めて(そしてもしかしたら、一度きりの)製作に関わったアンプに対する愛着は、
…じんわりと湧いてきた。

それからしばらくして。
父ちゃんは、就職し、結婚し、狭い社宅に住んで、息子たちが生まれ、家を買い…
まぁ、よくあるパターンでオーディオから離れておりました。
このアンプも、押し入れで埃が積もり、置き場所に困って、実家で預かってもらうことになったのでした。
そして、父ちゃんは、いつしかその存在すら、忘れていました。

今日、会社からの帰りに実家に立ち寄り、アンプを引き取ってきた。
N兄が、劣化したハンダの補修をして、手渡してくれました。
このアンプ。これからN兄の助けを借りて再メンテして、使ってみようと思います。

N兄、ありがとう。